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お歳暮のマナー

目次
お歳暮の起源
お歳暮用の「のし紙」
贈答様式
お歳暮のお返し
お歳暮の礼状

「知っ得!お歳暮のマナー」では現在用いられている「ごく一般的」なお歳暮のマナーや贈り方についてご紹介しています。

お歳暮の起源

元々は日本古来の行事である御魂(霊)祭り(みたままつり-1年を2回に分けて先祖の霊を迎えてお供え物をして祀った)が起源で、分家から本家に・嫁ぎ先から実家に・使用人から雇い主などへお供え物が贈り届けられたことに発祥します。当時は正月を前にして、年の瀬を無事に越し新しい年を迎えるにあたっての必需品として、お酒・お餅・干し魚・数の子・スルメ・昆布・塩鮭などの日持ち食品が贈られていたようです。
現在では、贈られる品物も随分と豊富になりましたが、実家や日頃お世話になっている方々へ一年間の感謝を込めてお礼の気持ちが贈られています。

お歳暮用の「のし紙」

「お歳暮」の、のし紙には紅白の花結び(蝶結び)に熨斗が付いたデザインのものを用います。上書きは水引中央結び目の上に「御歳暮」と書き、名前書きは水引中央結び目の下に献辞よりやや小さめにして「フルネーム」で書き入れます。

お歳暮用のし紙の購入はこちら

お年賀用のし紙

贈答様式

いつ贈るのか?

元々は正月を迎える事始めの日、12月13日から贈る習わしがありましたが、現在では12月初め(早いところでは11月末頃)より、遅くとも20日くらいまでには届くように贈るのが一般的です。うっかり忘れていたり手配が遅れたりして年内に届かないと判断した場合は、正月の松の内(1月6日まで)に「御年賀」として贈る方法もあります。
尚、この場合は先方に対して、贈答時期を逸して御歳暮を贈れなかったことを詫び、加えて年明けに御年賀として贈らせて戴く旨を、手紙か電話にて一言伝えておくのがマナーです。

正しい贈り方は?

お歳暮の贈り物に掛ける「のし紙」は、紅白(赤と金色で印刷されている)の5本(又は7本)花結び(蝶結び)に熨斗が付いたデザイン(通称=花結び祝い=一般お祝い用)のものを用います。表書きは濃い色の墨を用いて楷書体で書くのが基本ですが、献辞(上書き)は水引中央結び目の上に「御歳暮」と書き、名前書きは水引中央結び目の下に献辞よりやや小さめにして「フルネーム」で書き入れます。

本来は事前に訪問時間を打ち合わせて先方宅に直接持参するのが習わしですが、昨今では互いの都合もあって余程の場合を除いてはデパートなどから直送したり宅配便を利用することが一般的になってきています。身内や友人に送り届ける場合は電話で伝える程度でも差し支えありませんが、日頃大変お世話になっている方々に送り届ける場合は贈り物に挨拶状を付けるか、届く頃を見計らって手紙か葉書による挨拶状を送るようにするのが礼儀です。

喪中の時はどうする?

お歳暮はお祝いごとの贈り物ではなく、普段お世話になっていることに対する感謝の気持ちを贈るものであることから、当方又は先方のいずれか(又は双方)が喪中の場合であっても、お歳暮を贈りあうことは一向に差し支えないことになっていますが、忌中(仏教では忌明け法要前、神道では忌明け祭前)の場合やどうしても気になる場合は、事前にお断わりを入れて先方の了解を得た上で、時期をずらして寒中見舞い(松の内以降立春まで)の形で贈る方法もあります。

松の内
地方によって異なりますが一般的には1月1日~7日
立春
2月4日又は5日

尚、キリスト教では教義上、喪中という考えは存在しませんので、教徒間で贈り合う限りにおいては特に問題はありません。

誰にどのくらいの期間まで贈ればよいのか?

特に個人的な場合では日頃の感謝の気持ちが贈り物に反映されますので、「誰に贈るか」・「何時まで贈るか」の決まりは人それぞれの事情によって異なりますが、仲人や媒酌人などの場合は一般的に最低3年間は必要とされています。

また、日頃お世話になっている主治医やお稽古ごとの先生にはお世話になっている期間中は贈るケースが多いようですが、幼稚園・学校・塾の先生、勤務先の上司などについては贈る側の考えによって異なるようです。

どのような物を贈ればよいか

何を贈るかについては案外面倒で難しいもの、ついつい贈る側の好みによっていずれの先様にも同じようなものを贈ってしまうケースが多いようですが、贈り物は自らの心が相手に伝わり喜んで貰ってこそ本来の意味合いがあります。
幾ら高価なものであっても酒が飲めない人に酒類を贈っても喜んで貰えません。 自分好みの「あげたいもの」を贈るのではなく、相手の好み・家族構成・年齢・人数・季節などを十分考慮して、予算に見合った「喜んでいただけるもの」を先様ごとに選ぶことを心がけるとよいでしょう。(下記表参照)

お歳暮として贈った商品ベスト10
順位 商品
1位 ハム・ソーセージ(24.4%)
2位 ビール(14)
3位 洋菓子(13.9)
4位 海苔(12.3)
5位 日本酒・焼酎(12.1)
6位 魚介・肉類(11.1)
7位 乾物・缶詰(10.5)
8位 漬物・佃煮(10.5)
9位 商品券・ギフト券(10.1)
10位 コーヒー(8.9)
お歳暮の希望商品ベスト10
順位 商品
1位 商品券・ギフト券(56.4%)
2位 ハム・ソーセージ(20.6)
3位 ビール券(17.2)
4位 ビール(15.0)
5位 食用油(12.7)
6位 商品選択型ギフト券(12.4)
7位 洗剤(10.2)
8位 コーヒー(9.5)
9位 魚介・肉類(8.8)
10位 海苔(7.4)

贈るものの値段は?

贈る対象のそれぞれの方々に幾らくらいのものを贈るかについては、日頃お世話になっている度合いによって掛ける費用に差を付けるのが一般的です。(下記表参照)

お歳暮の目安と最多回答額
贈り先 年 代 別 東 西 別
20歳代 30歳代 40歳代 50歳代以上 関東 関西
全体 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円
勤務先の上司 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円
勤務先の同僚 1) 3千円 3千円 5千円
勤務先の部下 5千円 5千円 5千円 5千円
取引先 2) 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円
親・親類 3千円 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円
友人・知人 5千円 3千円 5千円 5千円 5千円 5千円
となり・近所 3千円 5千円 3千円 1)
仲人 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円 5千円
子供の学校の先生 5千円 5千円 5千円
習い事の先生 3千円 3千円 5千円 5千円 5千円 3千円
医師・看護婦 3千円 5千円 3千円 5千円 3千円

1)3千円・5千円 2)3,000・3,001~4,999
-は該当するサンプルがないもの
*はサンプル数が少ないためクロス集計していません。

お歳暮のお返し

本来はお世話になった方々に贈ったり取引関係の方々に贈るのが一般的ですので、贈られる側は特にお返しを必要としませんが、届いた後に出来るだけ速やかに電話か手紙でお礼の心を伝えるのが礼儀です。お礼を伝えるだけでは気がすまない相手や同僚・友人などの場合には、返礼として同額程度の「御礼」の品か「お歳暮」を贈っても特に問題はありません。寒中見舞いの場合も同様です。

お歳暮の礼状

お歳暮の礼状は、お歳暮を贈ってもらった相手の心遣いに対して感謝の気持ちを伝えることが主目的ですが、お歳暮が無事に届いたことを知らせる役割もありますので、受取った後に出来るだけ早く出すように心がけましょう。昨今では電話でお礼を済ませることが多いようですが、電話はとりあえず掛けても礼状をきちんと出すのが正しいマナーです。

戴いたことへのお礼を真心込めてしたためた葉書や手紙には、電話では感じられない温かさが伝わるはずです。また、パソコンで作成しプリントしたものよりも、たとえ下手な字であっても手書きでしたためたものの方が一層真心が伝わります。相手にこちら側の気持ちを伝えることが大事ですので、友人や特に親しい方への礼状は難ぐるしい形式にこだわる必要はありませんが、目上の方への礼状は注意が必要です。
以下の文例は目上の方への礼状に対する書き方です。

書き方のポイント 書き方の例
文頭は季節の挨拶から、書き出しは行を変え一文字下げること。
  • 師走の候、初冬の候、歳末の候、など
  • 年の瀬も押し迫ってまいりました。
  • 歳末を迎え何かとあわただしい季節となりました。
  • 師走に入り寒さも一段と厳しくなってまいりました。
  • 今年も残り少なくなってまいりました。
相手の安否を気遣う。
  • ○○様にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。
  • 皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
日頃お世話になっていることへのお礼
  • 日頃は大変お世話になっておりまして
  • 平素は何かとお気遣いを戴き
お中元を送ってもらったことへのお礼
  • いつもご丁寧にお心遣いを戴き
  • この度はお心遣いの品をお贈り戴きまして
相手の家族に対する心遣いを
  • どうぞ奥様にもよろしくお伝えください。
  • どうか皆々様にもよろしくお伝えください。
相手の健康を祈る言葉を
  • 師走のあわただしい季節柄、くれぐれもご自愛されて良き新年をお迎えください。
  • 寒さ厳しい折から、どうかお体を大事されて良い年をお迎えください。
最後に結びの言葉を
  • 先ずはお礼まで
  • 先ずはお礼方々ご挨拶まで

夫宛てのお中元に対して、妻が礼状を代筆する場合は、夫の名前を書いた左脇にやや小さい文字で「内」と書き添えます。
尚、家人によらず本人以外の者が礼状を代筆する場合は、本人の名前の左側にやや小さく「代」と書き、その下に代筆者の名前を書き入れます。