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お中元のマナー

目次
お中元の起源
贈答様式
お中元のお返し
お中元の礼状

「知っ得!お中元のマナー」では現在用いられている「ごく一般的」なお中元のマナーや贈り方についてご紹介しています。

お中元の起源

古い中国から伝わった「三元」と称して、贖罪(代償物によって過去に犯した罪業をあがなうこと)の日とした上元(1月15日)・中元(7月15日)・下元(10月15日)の内の中元が、日本古来の御魂(霊)祭り(みたままつり-1年を2回に分けて先祖の霊を迎えてお供え物や贈り物をした習し)と、伝来した佛教の盂蘭盆会(うらぼんえ-7月15日)とが重なったことから、夏の贈り物として「お中元」を贈るというの贈答習慣が根付きました。

贈答様式

いつ贈るのか?

以前は、東日本においては7月初めより中頃までの間を、西日本では1ヶ月遅れの8月初めより中頃までの間を贈答時期としていましたが、現在ではいずれの地方も7月初めより中頃まで(土用の入り前までに)の期間内に贈ることが一般的になってきています。うっかり忘れて時期を逸した場合には暑中見舞い・残暑見舞いとして贈ります。

正しい贈り方は?贈る前に知っておきたい!お中元で使うのし紙の種類と書き方

お中元で使うのし紙の種類と書き方
お中元の贈り物に掛ける「のし紙」は、紅白(赤と金色で印刷されている)の5本(又は7本)花結び(蝶結び)に熨斗が付いたデザイン(通称=花結び祝い=一般お祝い用)のものを用います。
表書きは濃い色の墨を用いて楷書体で書くのが基本ですが、献辞(上書き)は水引中央結び目の上に「御中元」と書き、名前書きは水引中央結び目の下に献辞よりやや小さめにして「フルネーム」で書き入れます。

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本来は事前に訪問時間を打ち合わせて先方宅に直接持参するのが習わしですが、昨今では互いの都合もあって余程の場合を除いてはデパートなどから直送したり宅配便を利用することが一般的になってきています。身内や友人に送り届ける場合は電話で伝える程度でも差し支えありませんが、日頃大変お世話になっている方々に送り届ける場合は贈り物に挨拶状を付けるか、届く頃を見計らって手紙か葉書による挨拶状を送るようにするのが礼儀です。

お中元の表書き、名入れの書き方

お中元の表書き、名入れの書き方
お中元で使うのし紙の種類と書き方 【個人名で贈る場合】

姓名のフルネームが一般的ですが、目下の人へ贈る場合は姓だけでも良いです。
お中元で使うのし紙の種類と書き方 【連名で贈る場合】

右側が「目上」、左側が「目下」の名前を書きます。 連名は3名までが一般的です。
お中元で使うのし紙の種類と書き方 【代表者名のみ書く場合】

連名は3名までで、それ以上の人数になる場合は、代表者名を中央に書き「他一同」を左下に並べて書きます。 
代表者以外の名前は中包みに記載します。
お中元で使うのし紙の種類と書き方 【会社名を入れる場合】

名前の右側に小さく書き添えます。

喪中の時はどうする?

お中元はお祝いごとの贈り物ではなく、普段お世話になっていることに対する感謝の気持ちを贈るものであることから、当方又は先方のいずれか(又は双方)が喪中の場合であっても、お中元を贈りあうことは一向に差し支えないことになっていますが、忌中(仏教では忌明け法要前、神道では忌明け祭前)の場合やどうしても気になる場合は、事前にお断りを入れて先方の了解を得た上で、時期をずらして暑中見舞い(土用の入り以降立秋まで)や残暑見舞い(立秋以降)の形で贈る方法もあります。

土用
7月19日又は20日~8月6日又は7日の18日間
立秋
8月7日又は8日

尚、キリスト教では教義上、喪中という考えは存在しませんので、教徒間で贈り合う限りにおいては特に問題はありません。

誰にどのくらいの期間まで贈ればよいのか?

特に個人的な場合では日頃の感謝の気持ちが贈り物に反映されますので、「誰に贈るか」・「何時まで贈るか」の決まりは人それぞれの事情によって異なりますが、仲人や媒酌人などの場合は一般的に最低3年間は必要とされています。

また、日頃お世話になっている主治医やお稽古ごとの先生にはお世話になっている期間中は贈るケースが多いようですが、幼稚園・学校・塾の先生、勤務先の上司などについては贈る側の考えによって異なるようです。

どのような物を贈ればよいか

何を贈るかについては案外面倒で難しいもの、ついつい贈る側の好みによっていずれの先様にも同じようなものを贈ってしまうケースが多いようですが、贈り物は自らの心が相手に伝わり喜んで貰ってこそ本来の意味合いがあります。

幾ら高価なものであっても酒が飲めない人に酒類を贈っても喜んで貰えません。自分好みの「あげたいもの」を贈るのではなく、相手の好み・家族構成・年齢・人数・季節などを十分考慮して、予算に見合った「喜んでいただけるもの」を先様ごとに選ぶことを心がける必要があります。 (下記表参照)

お中元に贈りたい商品ベスト10(2007年、味の素ゼネラルフーヅ株式会社調べ)
贈りたい商品 全体 東京 大阪
1位 ビール(41.1%) ビール(39.0%) ビール(43.2%)
2位 コーヒー(26.0%) 産直の生鮮食料品(31.5%) コーヒー(25.3%)
3位 そうめん(19.9%)
産直の生鮮食料品(19.9%)
コーヒー(26.7%) そうめん(19.9%)
4位 そうめん(19.9%) 洗剤(15.8%)
5位 洗剤(13.7%) 果物(13.7%) 調味料・食用油(13.0%)
6位 調味料・食用油(12.7%) 調味料・食用油(12.3%)
ハム・ソーセージ(12.3%)
海苔・乾物(12.3%)
100%果汁飲料(11.6%)
ハム・ソーセージ(11.6%)
洋菓子(11.6%)
7位 ハム・ソーセージ(12.0%)
8位 100%果汁飲料(11.0%)
9位 海苔・乾物(9.9%)
和菓子・洋菓子(9.9%)
洗剤(11.6%) 珍味・佃煮・つけもの(10.3%)
10位 日本茶・和菓子(11.0%) 和菓子(8.9%)
お中元にもらいたい商品ベスト10(2007年、味の素ゼネラルフーヅ株式会社調べ)
もらいたい商品 全体 東京 大阪
1位 商品券(43.3%) 商品券(46.0%) 商品券(40.7%)
2位 ビール(36.7%) ビール(36.0%)
産直の生鮮食料品(36.0%)
ビール(37.3%)
3位 産直の生鮮食料品(27.3%) 洗剤(29.3%)
4位 洗剤(25.0%) コーヒー(26.0%) コーヒー(23.3%)
5位 コーヒー(24.7%) 調味料・食用油(20.7%)
洗剤(20.7%)
ハム・ソーセージ(22.0%)
6位 調味料・食用油(19.7%) 調味料・食用油(18.7%)
産直の生鮮食料品(18.7%)
7位 ハム・ソーセージ(18.3%) そうめん(16.7%)
8位 そうめん(16.0%) 果物(16.0%) 100%果汁飲料(15.3%)
そうめん(15.3%)
9位 100%果汁飲料(13.3%) 日本茶(15.3%)
10位 海苔・乾物(12.0%) ハム・ソーセージ(14.7%)
花/植木/鉢植(14.7%)
海苔・乾物(12.0%)

贈るものの値段は?

贈る対象のそれぞれの方々に幾らくらいのものを贈るかについては、日頃お世話になっている度合いによって掛ける費用に差を付けるのが一般的です。(下記表参照)

お中元の送り先ベスト10・平均予算(2007年、味の素ゼネラルフーヅ株式会社調べ)
贈り先(複数回答) 全体 東京 大阪 平均予定金額
両親 1位(52.1%) 2位(54.1%) 1位(50.0%) 4,750円
親戚 2位(49.0%) 1位(57.5%) 2位(40.0%) 4,344円
兄弟 3位(32.9%) 3位(37.7%) 4位(28.1%) 3,982円
友人・知人 4位(29.1%) 5位(26.7%) 3位(31.5%) 4,023円
上司 5位(22.9%) 4位(27.4%) 5位(18.5%) 5,046円
仲人 6位(12.7%) 6位(16.4%) 7位(8.9%) 4,784円
子供の学校・塾・
おけいこ等の先生
7位(12.3%) 7位(12.3%) 6位(12.3%) 3,816円
仕事の得意先 8位(8.2%) 8位(8.2%) 8位(8.2%) 4,268円
かかりつけの医者 9位(6.5%) 9位(6.8%) 9位(6.2%) 5,842円
隣り近所 10位(4.5%) 9位(6.8%) 10位(2.1%) 2,808円

お中元のお返し

本来はお世話になった方々に贈ったり取引関係の方々に贈るのが一般的ですので、贈られる側は特にお返しを必要としませんが、届いた後に出来るだけ速やかに電話か手紙でお礼の心を伝えるのが礼儀です。

お礼を伝えるだけでは気がすまない相手や同僚・友人などの場合には、返礼として同額程度の「御礼」の品か「お中元」を贈っても特に問題はありません。暑中見舞いや残暑見舞いの場合も同様です。

お中元の礼状

お中元の礼状は、お中元を贈ってもらった相手の心遣いに対して感謝の気持ちを伝えることが主目的ですが、お中元が無事に届いたことを知らせる役割もありますので、受取った後に出来るだけ早く出すように心がけましょう。

昨今では電話でお礼を済ませることが多いようですが、電話はとりあえず掛けても礼状をきちんと出すのが正しいマナーです。戴いたことへのお礼を真心込めてしたためた葉書や手紙には、電話では感じられない温かさが伝わるはずです。また、パソコンで作成しプリントしたものよりも、たとえ下手な字であっても手書きでしたためたものの方が一層真心が伝わります。相手にこちら側の気持ちを伝えることが大事ですので、友人や特に親しい方への礼状は難ぐるしい形式にこだわる必要はありませんが、目上の方への礼状は注意が必要です。
以下の文例は目上の方への礼状に対する書き方です。

書き方のポイント 書き方の例
文頭は季節の挨拶から、書き出しは行を変え一文字下げること。
  • 盛夏の候、炎暑の候、猛暑の候、など
  • 本格的な夏の訪れとなりました。
  • 長い梅雨もようやく明け、本格的な夏がやってまいりました。
  • 暑中お見舞い申しあげます。
  • 日々暑さ厳しき折から
  • 連日厳しい暑さがつづいております。
相手の安否を気遣う。
  • ○○様にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。
  • 皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
日頃お世話になっていることへのお礼
  • 日頃は大変お世話になっておりまして
  • 平素は何かとお気遣いを戴き
お中元を送ってもらったことへのお礼
  • いつもご丁寧にお心遣いを戴き
  • この度はお心遣いの品をお贈り戴きまして
相手の家族に対する心遣いを
  • どうぞ奥様にもよろしくお伝えください。
  • どうか皆々様にもよろしくお伝えください。
相手の健康を祈る言葉を
  • 暑さ厳しい折からくれぐれもご自愛ください。
  • まだまだ厳しい厚さが続きますが、どうかご健勝にお過ごしください。
最後に結びの言葉を
  • 先ずはお礼まで
  • 先ずはお礼方々ご挨拶まで

夫宛てのお中元に対して、妻が礼状を代筆する場合は、夫の名前を書いた左脇にやや小さい文字で「内」と書き添えます。
尚、家人によらず本人以外の者が礼状を代筆する場合は、本人の名前の左側にやや小さく「代」と書き、その下に代筆者の名前を書き入れます。