のし紙の掛け方(慶弔別)
贈答品に「のし紙」を掛けるということは広く周知されていますが、贈答目的によってのし紙の掛け方が異なっていて、「お祝いごとには慶事掛け」「お悔やみごとには弔事掛け」に区別して用いるようになっていることをご存知でしょうか。
誤ってお祝いごとの贈答品を弔事掛けにしたり、お悔やみごとの贈答品を慶事掛けにしてしまうと先方に不愉快な気持ちを与えることになって、折角の贈り物も目的が半減してしまうことにもなりますので注意が必要です。
のし紙の慶事掛けと弔事掛けの違い
のし紙の左右の両端が裏面で交わる場合に限り、「お祝い事は慶事掛け」に「お悔やみごとは弔事掛け」に区別して重ね合わせるのがのし紙の正しい掛け方です。
裏返した贈答品の外装品の天地に対して、「慶事掛け」は向かって右側に位置するのし紙の端を上に(右前)交わり重ね合わせるように掛け(裏面:図1)、「弔事掛け」は向かって左側に位置するのし紙の端を上に(左前)交わり重ね合わせるようにして掛け(裏面:図2)ます。
いずれも上から重ね合わせる部分が外装箱の左右中央部より長くなる場合は、中央より先の部分を折り込むかカットして貼り止めます。
尚、外装箱の裏面でのし紙の左右両端を慶弔掛けに区別して掛ける際も、贈答品本体の中身の天地を見誤って掛けると正しい位置から見て慶弔が逆になる結果となりますので注意が必要です。
慶事用の「のし紙」
慶事用ののし紙には、さまざまなお祝い事に適した種類があります。何度でも繰り返したいお祝い事や一般的な御祝(出産祝い・長寿祝い・お中元・御歳暮など)には蝶結びの水引ののし紙が用いられます。一方、固く結ばれ解けないことから婚礼用(結婚祝いや引出物など)には結切の水引ののし紙が適しています。このように、水引の種類や熨斗の有無によって使用される場面が異なります。贈り物に合わせて適切なのし紙を選ぶことが大切です。
弔事用の「のし紙」
弔事用ののし紙には、「一度きりであってほしい」という想いを込めて、簡単に解けない結切水引が使用されます。蓮の絵が入ったものは、仏教の通夜・葬儀告別式の際に喪家に贈るために用いられます。蓮の絵がないものは、仏教・神道・キリスト教など各宗教共通で、通夜・葬儀告別式や法要の際に喪家に贈るために使用されます。また、仏教の通夜・葬儀告別式では、蓮の絵がないものや黄水引ののし紙が用いられることもあります。